大人のフォルメンと子どものフォルメン

恒例になりそうな気配の「大人のフォルメンレッスン」

ZOOMはじめて。フォルメンはじめて。・・・という人も多数参加。

 

フォルメンといっても、いろいろな形があります。

 

ランニングフォーム

 

変容のフォルメン

 

編み込み模様のフォルメン

 

 

 

 

他にも・・・

幾何学のフォルメン
レムニスケート
対称のフォルメン
スパイラル
曼荼羅のフォルメン
つつみこむフォルメン
文化をテーマにしたフォルメン

・・・・などなど。
詳しくは拙書「フォルメンレッスン1」「フォルメンレッスン2」をご覧くださいね。

 

シュタイナー学校で子どもたちの授業でやるフォルメンで、次のような効果を得ることができます。

 

フォルメンの教育効果

形を認識する力を育てる
文字を書く基礎をつくる
バランス感覚を育てる
集中力がつく
距離の感覚を磨く
考える力を育てる
美的センスを育てる
芸術の表現力を学ぶ
色の質を体験する
図形のクオリティを体験する
図形の基礎を学ぶ
規則性や秩序を体験を通して学ぶ
数字と関連させて算数の学びにする
文化的なモチーフで、特定の文化、歴史の体験をする

 

 

ただ図を書いているように見えて、実はいろいろな効果があります。

 

 

大人のフォルメン

 

教育効果としては、上にあげたようなものがありますが、教育を狙わなくても次のような効果があります。

 

リラックスできる
リズムを体験し瞑想効果がある
形を描くことでエネルギーに満たされる

 

今回、大人のフォルメン講座では、6名の受講者さんたちとZOOMで曼荼羅の形を描きました。

 

大人の方に焦点をあてて講座をするとき、まず気持ち良く描いてもらって、描くことで力をうけとってもらうということ。うけとるだけではなくて、本来人間がもっているエネルギーをチャージして力を高めるような体験になるようなフォルム(形)を選びます。

忙しい大人のひとたちに、フォルメンを書くことでリラックスして、癒されて、内側からエネルギーが湧いてくるような体験をしてほしい!!!・・・という願いをこめて、フォルムを決めるのです。

 

こんな感想が出ました〜

-すいこまれるように描いた
-気持ち良くてだんだん自動で手がうごいているような感覚になった
-2や4などとちがった、不思議で神秘的な感覚(7という数のフォルメンをしました)
-赤い色をえらんだら、血流のような流れを感じた
-本を読むだけではわからなかったフォルメンを実際に体験して納得
-またやりたい

 

大人のフォルメンファンが少しずつ増えています。(笑)

またやりますよ。近々日程をきめて「大人のフォルメン講座」開催告知しますので、どうぞお楽しみに。

 

 

ドイツ、シュタイナー学校の校舎もいろいろ(写真多数)

ドイツのシュタイナー学校の校舎って、立派なシュタイナー建築!・・・というイメージがあります。イギリスは、古い大豪邸をリモデルした校舎が多かったですが、ドイツはさすがに立派なシュタイナー建築の校舎が多いですね。

 

ちなみに、今学期からお世話になっているヒルデスハイムの学校の校舎はあまり立派ではありません。

工芸校舎、幼稚園校舎、アフタースクールの校舎はシュタイナー建築で建てられました。

アフタースクールケアの校舎
シュタイナー建築のクラフト校舎

 

シュタイナー建築の幼稚園。エクステリアは普通のコテージ風ですが、屋内はまさしくシュタイナー建築の幼稚園です。

 

校舎を拡張しようとしたとき、たまたま隣接していた公立学校が移転。その学校の土地と校舎を買い取り、学校のメイン校舎として使っています。

だから、普通の、しかも、ひと昔前の味気ない校舎です。(昨今のドイツでは、小中学校も校舎が立派なんですけどね。)

よくありがちな直方体の建物から、少しでも直角をなくし、居心地の良い教育空間を作り出す工夫はしてあります。

 

公立中学校舎をリモデルした校舎

でも・・・、裏から見ると、いかにも古い中学校校舎!・・・みたいな感じです。

 

裏から見ると昔ながらの中学校校舎

 

でも、この学校は、こうやって公立学校を買い取ったので、借金がないのだそうです。

ドイツと言えども、他の学校は、立派な校舎をたてるためにはどうしても借金せざるを得ず・・・。借金苦で運営が大変な学校も多いとか。

校舎も人材も教材教具も・・・いろんな意味でお金がかかる学校運営。立派な校舎は素敵ですが、何が大事かを見極めてうまくバランスをとること。何が大事かは、学校によって違うと思います。それぞれの学校が、理想の学校を創るために工夫しています。完璧な学校などどこにもない。だからこそ、愛すべき学校だとも言えるのではないでしょうか。

 

リズミックエクササイズ講座〜楽しくリズムに合わせて1日5分のエクササイズで算数のセンスを磨く!

シュタイナー教育の一番の特徴は・・・

 

 

アメリカのシュタイナー教育者
ユージーン・シュワルツは、

 

シュタイナー教育の一番の特徴は

「つながり」だ!!!

 

と言いました。

 

教科が繋がっていること。

世界と繋がっていること。

教科の中のものごとも繋がっていること。

 

 

もちろん、他の特徴もたくさんあるのですが。

 

 

よくあるメインストリーム教育、

日本の教科教育では、

 

たとえば、

 

歴史を教えるのに、

いつ、何が起きたかは教えるけれど、

 

その出来事に関わっている人物がどんな人生を歩んだかなどは学ばないし、

できごとの背景にどんな人間模様があったかなんてことは、

 

 

切り捨てます。

 

 

テストに出ないですからね。

 

 

でも、何事も、

そこには人間がいて、

人間の心が動いていて、

人間同士のつながりがあって、

それらが起きている時代背景、

社会の状況、文化習慣などが、

ぜんぶ絡み合ってものごとが起きている。

 

 

もちろん、

それを全て学ぶことはできませんが、

 

情報をブツブツに切って、

「覚えていなくてはいけない情報」を、

生徒に伝えるだけでは、

「死んだ情報」が伝わるだけ。

 

 

そして、

そういう情報からは、

人の心は動きません。

 

どうして人間が醜い争いをすることになったのか、

そこに人間の有様なしで、

情報だけを見たところで、

 

本質はつかめない。

 

心も動かないし、

考える気にもならない。

 

 

 

 

なにが、どういけなかったのかかもわからないし、

 

 

 

どうしたら、

同じ過ちを繰り返さなくていいのかもわからない。

 

 

シュタイナー学校のエポックノート
こちらから画像引用させていただきました。

 

当たり前のことですが、

世界にある、

ありとあらゆるもの、ことは、

つながりあっています。

 

歴史と文化、芸術も繋がっているし、

数学ともつながる。

国語とも外国語とも、ぜんぶつながる。

 

 

それを、

切り刻むことは、

 

 

 

 

脳みそのシナプスをぶちぶち切るのと同じ。

 

 

つながりは多ければ多いほどいい。

そのつながりが、

強ければもっといい。

 

 

テストに出ない、余分で、無駄だと、

思う人もいるかもしれないような、

 

史実の背景にあること、

数学の裏話、

芸術家の人生、

 

・・・それらを学ぶことは、

確実に、つながりの数を増やし、

つながりを強くすることです。

 

 

無駄と思えるかもしれないけれど、

実は、

 

年号とできごとだけを知っている場合より、

年号とできごとを覚えやすくなるし、

他のたくさんのことも頭に入る。

 

そして、何よりも、

ものごとが生き生きと見えてくるということは、

 

 

 

 

「より深く考える」ようになる・・・ということ!

 

 

 

 

これって、

情報を暗記しているより、ずっと大切なことだと思いませんか?

 

 

 

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シュタイナー教育を家でできる教材

e-waldorfから発行しています

https://books.e-waldorf.com

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家の中に動物の気配が・・・(シュタイナー学校手仕事の話)

うちの次男(シュタイナー小学校6年生)が、手仕事で作ったぬいぐるみを持ち帰ってきました。

 

手仕事の時間に作ったぬいぐるみ〜オオカミ

 

 

 

まず、クラスで国立自然博物館へ行きました。そこにたくさんある、動物たちの剥製のなかから一つ決めて、よく観察してスケッチをする。

学校に帰ってきてから、スケッチを見ながら、その形に合うように型紙を自分でデザインする。

厚手のキャンバスコットンを切って縫う。

これでもか、これでもか、というくらいに綿を入れる。(脚は芯も入っていないのにカチカチです)

そして、布用絵の具で色付けをして完成。

 

 

なかなかよくできています。ふわふわした抱っこしたくなるようなぬいぐるみではなく、硬くてリアルです。

 

与えられた型紙で作るだけではありません。見たものを布で再現していくのって、かなり大変。体、口の部分、頭のマチ部分、お腹にもマチがあり・・・。

 

相当よく観察しなければ作れません。

 

 

シュタイナー学校では、こうやって小学校で動物や人間のぬいぐるみをつくったりするのだけど、作り手の心がこもってオリジナルのものができてくると、できあがった作品が作り手に似てくるから不思議です。

シュタイナー教員養成課程でウォルドルフ人形を作った時も、出来上がってみたら、学生それぞれ、みんな自分に似た人形になっていました。そんなことは全く意識せずに作っているのですが。

 

いや、このオオカミ。なんか次男に似てますよ。手脚の細さとか雰囲気とか。

 

 

この子が我が家にきてから、「なんか、いる・・・」ってゾゾッと感じることがあるのです。「誰がこっち見てるの!?」って、その方向を振り向くと・・・・

 

 

この子がこっちを見てる。(汗)

 

心込めすぎて、魂がこもっちゃったみたいです。

 

シュタイナー学校のアート・クラフトをお家でする講座 e-waldorf アートクラフトプログラム http://course.e-waldorf.com

「自分で考える」ということ・・・「これ!」を見落とすと危険。

前回ブログ記事で
我が子を「自分で考えられる人間」に育てる方法
について書きました。

この記事の中でも触れているのだけど、「自分で考えられる」人間に、絶対欠けてはいけないものがあります。

それは、「こころ」です。

「考える」と言ったとき、どこで「考える」のでしょう?

一般には「頭で考える」と思いますよね。

でも、シュタイナー教育では「こころで考える」人間を育てています。
(こころで考えるってピンとこないかもしれませんね。以下の文から感じ取っていただけたら嬉しいです。)

それは、学校教育だけのことではありません。シュタイナー教育、人智学は子どもだけのものだけではなく、大人が人間として成長するためのもの。人間として「こころで考えられる」ように、成長し、「進化」していく。それが人智学のひとつの方向です。

考えることが、「頭」だけでの活動だと、それは「冷たい思考」です。

「ちょっとそれ、ちがうように思うんだけど」って、なんとなく心の奥でもやもやしたことがあったとしても、頭で考えたことのほうが大事だと考えて優先してしまう・・・のが現代人的ありかた。

頭は論理では考えられる。でも、本当に正しいこと、本当に人間に、社会に、わたしたちに必要で大事なものって「こころ」が一番敏感に感じ取っています。頭は、「国民の70%が認めているならきっと正しいんだろう」とか考えて判断しちゃったりもする。こころのなかでは「何か違う」って思っていてもね。頭はそんな意味での「考える」ことをもします。でも、こころのほうが本当に大事なことを実はわかっている。(わかる「こころ」が育っていれば! ね)

「こころの声」きいていますか?
自分のこころの声に反応して、こころの声に正直に生きていますか?

こころの声を、無視してしまったりしていませんか?

または、こころがつぶやいていることにさえ、気づかずに日々送っていませんか?

シュタイナー教育では、「頭」と「こころ」と「体」を総合的に育てています。切り離しません。

そして、「こころを育てること」「こころで敏感に感じ取ること」「こころの声をきくこと」は、大事なことだと、学校教育全体でこども達にメッセージを送っています。

それって「自分を大事にすること」でもあります。自分を肯定することでもあります。自分を認めることでもあります。

頭だけじゃない。勉強だけじゃない。

全部、繋がっています。


 

 

我が子を「自分で考えられる人間」に育てる方法

人のいうなり、人に言われた通りのことをする。
人が決めた人生を、歩む。
人が「いい」と言ったら、「いい」と信じる。
流れてきた情報を鵜呑みにする。

愛する我が子を、そういう人間に育てたいですか?

(「はい、育てたいです!」という人はこの記事は無意味です。読むのをやめてください。)

最近は、日本経済のこと、
日本の将来的なことを見据えて、
「自分で考えられる人間にならなきゃだめ!」
と主張する人が増えてきました。

そう主張する「指導者」がたくさんいるのだけど、
そう主張しているのに、
生徒や弟子や門下生が、
先生と同じことをしているのをよく見かけます。

一応、先生の真似をしておくことで、
とりあえず(!)いい作品が作れたり、実績ができる。
でも、「自分で」自分の考えで創造して行動するところまではいっていない。

私は、小学校のころ油絵を習っていました。
大人のクラスに小学生ひとり混じって。
先生が大人の生徒さん相手にいろいろ話していたこと、
分からないながら聞いていて、心に残っていることがたくさんあるのです。

 

その一つが、


「絵の先生で、その先生の生徒さんがみんな同じ絵を描いてたりすることがあるのよね。
有名な画家で、生徒さんは先生みたいな絵を描けるようになるんだけど、それは違うと思うの。
私のクラスの生徒さんたちは、みんな違う。
それが私の教室の良さだと思う。」

という言葉。

世界を知らない小学校5年生の私の心にもしっかり残りました。

シュタイナー学校で、小学校でぬらし絵を描くとき、
先生がひとつひとつ指導します。

青がここにしのびよってきて(塗って)、
次は黄色をこんな形に入れたら葉っぱができて・・・
などと、お話しながらみんなの前で先生自ら絵を描いて説明をします。

先生がやったことを真似して、子どもたちは自分の絵を描きます。

同じことを同じように指導されたのに、
できあがった絵がまったく違うのです。
個性あふれるさまざまな絵。

例えば、同じ場所に木があるのに、
木の形も大きさも、力強さや風に揺れる姿など醸し出すものがまったく違う。

子どもたちは先生のお話を聞きながら想像力をかきたてています。
絵を描きながら、
ぬれた紙の上で自由に動き回る絵の具の様子を見て、
また想像が膨らみます。

同じように指導されているのだけど、
心は自由です。

それが作品に個性として現れる。

同じことをしているように見えて、個性を育てているシュタイナー教育。

学年が上がるにつれて、もっと自由度が上がり、
生徒たちは自分で考えることを身につけていきます。

シュタイナー学校の高校生たちの考え、洞察力、すごいですよ。

自由に、自分で考えて行動できる人間を育てる。
確かにそういう教育がシュタイナー学校では行われています。

思春期始まりとオイリュトミーとロッドエクササイズ

昨晩、息子の学校で「7年生オイリュトミー発表会」でした。7年生2クラスのオイリュトミー発表。真っ白の服に身をつつんだ総勢60人近い生徒たちが、ステージのうえで堂々と発表をしてくれました。

7年生のオイリュトミーといえば、「ロッドエクササイズ」がテーマです。(ロッド=棒)

70cmくらいの長さの銅の棒を使って、いろいろなエクササイズをします。

ウォーターフォール(滝):両手で水平に持ったロッドを背後で落とし、それを、腰のあたりで受け止める。

7ステップエクササイズ:前、上、右、左・・・などロッドを動かす。

名前はわからないけれど、大きくSカーブを描いて動かすエクササイズや、ロッドを使った指のエクササイズなども。

ロッドエクササイズをすることで、思春期に入りかけた子どもたちのなかにまっすぐ生きる姿勢と秩序を育てるのです。

基本のエクササイズを組み合わせた、大人数でのパフォーマンス。一人一人ちがう動きが組み合わさって、全体としてはかなり複雑な動きになっていました。見ているわたしは、どうしても「幾何学」の目でみてしまうので、ステージ上空から鳥瞰図的に見ている感覚で見ていたのですが、なかなか複雑・・・。笑

欧米人って、どうしても全体やまわりを感じ取る力が弱く、アメリカでも、イギリスでも、そしてドイツでも、みんな動きがバラバラ・・・。(笑)日本人のグループがうまく揃うのは、本当に民族的な特徴だと思います。欧米人は、全体のなかに和を見出せないというか、自分の動きと全体の動きがひとつのものとして見えていないというか・・・。

ドイツ人の子どもたちのオイリュトミーも、そんな「バラバラ」さ加減が見受けられ、見ながらちょっと苦笑いをしつつ、7年生ってこんなことまでできるのか・・・という難しい動きに感心。新しいことやちょっと難しいことに挑戦すること大好きなドイツ人の傾向なのだろうな・・・と、今までいたイギリスとの違いを考えながら、また、新たな文化、民族の特徴を目の当たりにした気分です。

わたし個人的には、言葉もわからないままドイツにやってきて、大きなやんちゃなクラスにとびこんだ長男(うちの子は大人しいタイプ)が、クラスの一部になっているのが見えたことが母としてとても嬉しかったです。いつもクラスで一番小さく、学習障害もあって何をするにもゆっくりで、発表などがあっても、いつもクラスのみんなから数テンポ遅れていた長男。ドイツにきて言葉がわからない環境で、イギリスにいたときより遅れてもいいような状況なのに、しっかりとみんなと呼吸があっていた。

この一年、ほんとに大変だったよね。こんなに成長して。・・・と、わたし、ひそかにボロボロ涙を流していました。

シュタイナー教育を家庭でする教材 e-waldorf の教材ー書籍、オンライン講座、レッスン

フォルメンからひらがなへ シュタイナー学校こくごの授業 みなさんもやってみてください

先日、

シュタイナー学校のひらがなの学び方のひとつを、

ブログ記事

シュタイナー学校1年生の文字を習う方法を真似してみよう

で、ご紹介しました。

 

お話をきいてイメージを膨らませる体験。

 

こんなひらがなの絵も紹介しましたね。

 

 

 

ひらがなを学ぶにも、

フォルメンからひらがなを創り出すやりかたもあります。

 

フォルメンは、

フォルム(形)を描くアクティビティですが、

文字を書く基礎力も育てます。

 

そのフォルメンを、

文字の学びにとりいれることができるのです。

 

 

たとえば、こんな感じ。

(みなさんもお子さんとやってみてください)

 

 

平らな地面がありました。

 

 

ポトンと種が落ちました。

 

 

種が大地の中で育ちます

 

 

土がもりあがってきて

 

 

お日様に向かって芽が出ました。

おひさま「ひ」の字のできあがり。

 

 

 

シュタイナー学校の担任の先生は、

ひらがな、かたかな、ひとつひとつに、

先生オリジナルのアイデアで、

お話をみつけたり、

フォルメンにストーリーをつけて、

子どもたちに文字をおしえます。

 

クラスの子供達のことを思って、

クラスにぴったりのお話を作り出したり。

 

「こう教えなさい」という、

先生用の教材や指導書はないのです。

 

 

 

だからこそ、

先生が、先生の経験から生み出したアイデアは、

生きていて、

子どもたちの心に伝わるのです。

 

でも、

文字全部に、

こんなアイデアを生み出して授業をするなんて

とんでもない作業。

 

想像しただけで目が回ります。

 

 

だから、

普通のお母さんにも自宅でできるように、

すべてのひらがなのアイデア集をつくりました。

 

藤野シュタイナー学園の

クラス担任をされた

石代雅日先生のアイデアを、

本にまとめたのです。

 

石代先生が実際に自分のクラスで教えた題材や、

他の経験豊かな先生たちからのアイデアを、

ぎゅっと凝縮した一冊です。

ひとりでも多くのこどもたちが、
心に響く国語学習ができることを、心から願っています。

なぜこれを教えるのか? 何を、ではなくて、何故?・・・と問う

「これは、何年生で教えるのですか?」
「5年生では何を教えたらいいのですか?」

よくこういう質問を受けます。

シュタイナー学校に共通の決まったカリキュラムはないので、自由ですが、一応、カリキュラム集などの書籍があり、それを先生方はひとつの参考としています。

こんな本ね。イギリスの先生の間では通称”yellow book”。バイブル的存在です。

でも、本当に大事なのは、何年生で何を教えるということではなくて、何故それを教えるのかということ。「何故」の部分がわかっていないと、まったく的はずれな教育になります。

ある意味、何を教えるかっていうのは、何でもいいのです。

たとえば、木工でスプーンを彫る。カリキュラムでいうと5年生くらいですね。だけど、5年生では、感覚を大事にし、木材の素材や質を感じ取ることが教育の目的です。だから、自然の木材(製材して直方体にしていないもの)を用いて、木の生きた素材そのもの、匂い、色、硬さ、木目などを感じ取り、その木材にぴったりで、木材の良さを生かすものを作り出す。そんな活動が、小学校5年生くらいでは必要だから、それをスプーン作りを通してやっているのです。

でも、スプーン作りをたとえば高校生にやらせることもできます。その時には、もっと論理的にプロジェクトに取り組むので、感覚で感じ取ることよりも、製材された木材を使い、どうやれば合理的なデザインになるかを考えたりするでしょう。人間工学に基づくスプーンのデザインなどをしてもいいですね。その年齢には、論理的な思考をつかって意志の力でものを作り出すというのが大事な学びだからです。

技術的に、その年齢にできるかどうかではなく、その年齢にあった育てるべき資質をうまく育てるための授業をするのです。その「なぜ」がわかってくると、「何」を「どのように」教えたらいいかもわかってくる。

だから、「スプーン作り」と言っても、取り組み方によって、まったく違った学びになります。「どうして教えるのか?」を知っていないと、高校生に合う方法で、製材した木材をつかって小学生とスプーン作りをしてしまったりします。

上に紹介したカリキュラムの本は、例として、何年生で何を教えるという情報が載っていますが、どうしてそれを教えるのかという洞察がちゃんと書いてあります。大事なのは、そこ。「何を」ではないんですね。

その「なぜ」がわかってくると、「何」を「どのように」教えたらいいかもわかってきます。

あなたはクラスの一番の問題児ね・・・と言われた私

私は、いい子でした。子どものころからずっと。問題を起こさず、先生の言うことを守り、校則もちゃんと守って、宿題も、提出物もきっちりと期限厳守。そんないい子でした。

 

でも、
「あなたはクラスの一番の問題児ね」
って先生に言われた。

それは、大人になって、教師をやめて留学したカリフォルニアのルドルフシュタイナーカレッジでのことでした。

 

「問題児」って言われたのは、生まれて初めてでした。


ショックでしたね。
私が何を悪いことをしたの!? って。


先生は言いました。
「あなたは、問題を出そうとしない。だから一番問題なのよ。」
って。

 

根本的に、今まで受けてきた教育と全く違うことを、目の前でたたきつけられた瞬間でした。しかも、自分に向かって。ばしっと。

イギリスで教えていたシュタイナー学校で、ものすごくいい生徒がいました。そっくりな双子で区別つかない。区別つかないくらいに二人ともいい子でした。幼稚園から高校生までずーーーっといい子で通していました。

同僚の先生(担任の先生)が言いました。
「あの双子が、そろそろ問題を起こしてくれるといいのだけど。」

 

問題のない人間なんていないのです。大事なのは、それを出せるか(発散する手段をもっているか)、出せないか(内に閉じ込めるか)。

 

出せる人はものごとが大きくなる前に解決できる。出せない人は、苦しむ。苦しむ以前に、問題があることにさえ気づかないで、自分に重圧をかけていたり、傷つけていたり。問題の根本的な原因を無視しようとしていたり。

子どものころの、問題がまだそんなに大きくないころに、問題を出すことを覚えると、その先の大きな問題も解決しやすくなります。

 

教師として、親として、子供や生徒が問題がないことを喜ぶのではなくて、問題が出てきて、それを受け止めるだけの度量があるということ。そういう教師が、自分の前にいてくれるということ。「問題があっても、受け止めるから、大丈夫よ」という姿勢で、添っていてくれること。問題があってもあなたのことを愛してる・・・という心が、つたわってくること。親や先生の愛を疑わなくてもいいこと。

 

子供が安心して問題を出せる環境があるということ。それって、すごいことだと思いませんか?

 

自分の子どものころを振り返ってみてください。

辛かったこと、悲しかったこと。それを親に言って、わかってほしかった。先生に伝えて、理解してほしかった。でも、いうこともできなかった・・・。

その苦しさや悲しさを味わった人も、けっこういるのではないでしょうか。

 

シュタイナー教員養成では、教員としての教える技術だけではなく、こんなふうに、自分の教師としてのあり方や考え方を根本的に変える学びがたくさんありました。

すごいな、シュタイナー教育。

そんなふうに、子どもを育てたい。だから、私自身も、人間としての成長をまだまだ続けていきます。