(海外話)あなたはドイツ流? イギリス流? ドイツだからシュタイナー教育が生まれた?

こんにちは。
石川華代です。

 

ドイツを離れてイギリスに。

 

お国の違い。
旅行とかではわからない、
住んでみてわかることがいろいろありますが・・・

 

今、イギリスに戻ってきて、
嬉しいことのひとつ・・・。

 

人がやさしい。

 

ドイツ人って、
ぶっきらぼうで、
機嫌悪くて、
仏頂面で。

 

それに比べてイギリス人は、
親切だし、
物腰が柔らかいし、
笑顔だし、
言葉遣いもすごく丁寧。

 

イギリスで車に乗っていると、
運転手が道をゆずりあう。
(譲り合いすぎて、誰も動かずに譲り合い渋滞が起きたりします。 笑)

 

ゆずってもらった人は、
「ありがとー」って手でサインして、
にこやかに去る。

 
ゆずった人も、
「当然だよ。It’s my pleasure !」
って感じでにこやか。

 

ドイツだったら、
ゆずってもらっても、
「道交法上、私の方が優先なんだから、ゆずってもらってあたりまえ!」
って感じで、
仏頂面で去る。

 

なにしろドイツではルール第一ですからね。

 

昨日、引越しででた大量の段ボール箱を処理するために、
ゴミ処理場に持ち込みました。
(イギリスの話です)

 

入り口で、そこのスタッフが、

 

アポありますか?
申し訳ないのですが、
アポのある人だけしか受け入れられないんです。
(と言って、説明用のパンフレットを渡してくれる)
ほんと、せっかく来てくださったのに申し訳ありません。

 

ってすごく丁寧で紳士的な言葉使いで言う。

 

ドイツだったら、

アポある人しか受け付けないっていうルールなのよ!

・・・って、
「そんなことも知らないの?」的な、
非難するような口調と視線。

・・・だったと思います。
(言い過ぎ? 笑)

 

 

とにかく規則は規則。
「規則ですから」
って言われたら、その場では、
「ああ、そうですか。」
って、引き下がるしかないドイツ。

 

その代わり、
規則が気に入らなかったら、
デモしたりして、
規則そのものを変えようとするドイツ人。

 

規則が決まっても、
「ま、いいかーー」
って感じで、軽く規則を違反するイギリス人。笑

 

だから、

 

街を歩いているだけでも、

 

ドイツ人は信号を守る。
車が全然来なくても、赤信号で待つ。

 

イギリス人は、
車が来なかったら、
信号が赤のまま堂々と渡る。

 

 

みなさんだったら、どちらのタイプですか?

 

私は、
信号に関して言えば、
イギリス式でいいと思うんですよ。

 

信号は、交通を危険なくスムーズに流すためのものだから、
危険がないなら、
あえて、歩行者のために赤信号に変える必要もない。

車にも歩行者にも安全であることが第一なはずであって、
ルールを守ることが第一なわけではない。

 

 

どんなことだって、
規則は万人向けではないし、
万能でもないから、
その時に、ベストな判断を適宜すればいい。

 

法律違反を推奨しているのではなく、
自分の頭で考えてみよう!・・・という意味です。

 

 

こういう国民性の違いを見ると、
こういう
「規則は絶対!」・・・なドイツと言う国で、
「自由への教育」シュタイナー教育が生まれたことは、
不思議に思えてきます。

 

でも、

こんな国民性だからこそ必要だったのか・・・とも思います。

 

 

過去形ではないですね。
きっと、これからのドイツには、
もっとシュタイナー教育が必要なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

イギリスのシュタイナー学校への圧力のこと

 

先日もイギリスのシュタイナー学校に対する政府からの圧力のことをFBに書きました。

 

あれだけでは、何が起こっているのかわからないと思いますので、もう少し実情を書いた2月1日発行のe-waldorf newsletterをここでシェアします。

 

e-waldorf newsletter シュタイナー学校への圧力(イギリスの現状)

 

この記事を書いていた時点ではまだ私の知らなかった事実が、その後明らかになり、うかうかとしていられない圧力がシュタイナー学校全体にかかっているのがわかりました。

 

現時点では、まだ6校が閉校の危機に立たされているだけですが、オフステッド(イギリスの教育監査機関)は、イギリスにある全シュタイナー学校を同じように監査すると言っています。

 

今回問題になっている監査は、ソーシャルケア専門のインスペクターが、シュタイナー学校の弱点である「安全管理」「リーダーシップ」「運営」に特に焦点を当てて行われています。そして、肝心の「教育」に関して全く監査をしないまま、「安全管理」「リーダーシップ」「運営」がオフステッドの求める基準に満たないという理由で、閉校の圧力をかけられているシュタイナー学校が何校もあります。どう見ても、弱みにつけ込んだ偏った監査です。潰すことを最初から目的にしているように思えます。

 

「安全管理」については、上述のnewsletterにも書いたので、ご覧ください。

 

「リーダーシップ」もシュタイナー学校の、弱点となりえます。というのは、シュタイナー学校では教職員が平等の立場にあり、校長もいません。リーダーが学校を引っ張っていくということ自体が、シュタイナー学校の社会観念からずれています。だから、世間一般のリーダーシップの基準で見ると、どうしてもそこは弱点です。

 

今までも、オフステッドの教育基準と、シュタイナー教育の思想は相容れないものがあり、シュタイナー学校はオフステッドにとっては邪魔な存在でした。あるシュタイナー伝統校が問題追求され、閉校に追い込まれ、そこから一気にシュタイナー学校潰しが始まったようです。

 

ここで公開することを実は躊躇しました。シュタイナー学校を快く思わない人にとっては、シュタイナー学校が政府から潰されそうになっているなんてことは格好の批判材料になるからです。

 

 

でも、批判されることを恐れて、事実を隠そうとすることは、私たちが正しいと信じていることさえも隠してしまうことになります。隠していたら、シュタイナー学校をサポートしたいと思っている人にも何も伝わりません。

 

 

閉鎖されてしまった伝統校も、もっと事実を公表していたら、他のシュタイナー学校からもっと支援することもできたはずなのです。部外者には何も情報が公開されていなかったから、部外者は支援もしようがなく、遠巻きに見守るしかなかったのです。手出しできないまま、なんとか立ち直って欲しいと応援する気持ちも虚しく、閉校になってしまいました。

 

 

オフステッドとシュタイナー学校の教育思想の違いは大きく、教育について議論したら平行線をたどり解決しないでしょう。でも、私たちシュタイナー教育関係者は、シュタイナー教育が本当に良いと思って追求してきています。隠すようなことも、恥じるようなことも、何もしていません。だから恐れずに、わかっていることだけでも公の場で書くことにしました。

 

 

イギリスのことは、外国のことです。ドイツにいる私にとって、息子たちの学校は安全だし、直接的被害を被ることはありません。まして、日本から見たらはるかかなたの出来事ですよね。でも、イギリスのシュタイナー学校がこんな形で何校も閉校させられることになったらどうなると思いますか? 世界にある1000校以上のシュタイナー学校の評判が落ちることは間違いがありません。シュタイナー学校は世界最大のオルタナティブ教育ムーブメントです。シュタイナー学校を批判する人たちにとっては、格好の批判材料です。そこを標的にして攻撃しようとしたら・・・イギリスのシュタイナー学校のように潰されることだってありうるでしょう。

 

 

どうか、対岸の火事だと思わないでください。

 

 

今、ブリストルシュタイナー学校が、署名活動と、法的に裁判で戦うためのファンドレイジングをしています。でも私は、ブリストルだけのことではなく、シュタイナー学校全体が協力して対抗していかなければ政府には勝てないと思います。これからもっと生き残りのための活動が出てくるはずだし、それをサポートしていきたいと思っています。

 

 

今日、夫が、ゲーテアヌム教育部門のリーダーに会い、この問題について話をしました。もちろん彼は、この問題のことを懸念しており、近くイギリスへ行き、サポートすることがもう予定されているそうです。

 

 

 

 

ご協力に感謝します。

ブリストルシュタイナー学校を支援する署名

ブリストルシュタイナー学校が法的に戦うためのファンドレイジング