シュタイナー教育って名前は聞いたことあるけど・・具体的にどうなのかな?という保護者も多いのではないでしょうか。教育の世界にはさまざまなアプローチがあります。モンテッソーリ教育やイエナプラン教育、サドベリースクールなど、どれも子どもの成長を支えるユニークな方法です。その中のひとつが、シュタイナー教育。この記事では、シュタイナー教育の基本的な考え方や、そのメリット・デメリットをわかりやすくお伝えします。(具体的な方針等は、学校によって異なります)
シュタイナー教育のメリット
1. 人間全体を育む教育
シュタイナー教育では、「頭(思考力)」「心(感情)」「手(身体的体験)」をバランスよく育てることを重視しています。これは、単に知識を覚えるだけでなく、子どもの感性や実際に体験する力を養うことに繋がります。例えば、算数の授業でも美しい図形を描いたり、リズムを使った活動を通して学びを深めます。
2. 芸術的で創造性を刺激するアプローチ
シュタイナー教育では、音楽や絵画、手工芸、演劇などが積極的に取り入れられています。これにより、子どもの創造性が刺激され、学ぶ意欲が湧き上がるのです。学問的な内容も芸術的な手法で教えることで、子どもたちはより直感的に理解できます。
3. 自然とのつながりを大切に
シュタイナー教育は、自然との調和を重視しています。例えば、季節に合わせたテーマでの学びや、自然素材を使った活動が特徴です。さらに、校外学習や農業体験を通じて、子どもたちは自然の一部として生きていることを実感します。
4. 年齢に応じた学び
シュタイナー教育のカリキュラムは、子どもの発達段階に応じて設計されています。特に7年ごとの成長段階を基にした教育法が特徴です。幼少期は自由な遊びや想像力を育て、年齢が上がるにつれて論理的な思考を発展させていきます。
5. 教師と子どもの深い関係性
シュタイナー教育では、同じ教師が複数年にわたってクラスを担当する「担任制」を採用しています。この仕組みにより、教師は子ども一人ひとりの個性や成長を深く理解し、それに合わせた指導を行うことができます。信頼関係を築くことで、より良い教育環境が生まれます。
6. テストで評価しない
テストや成績で子どもを評価するのではなく、子ども自身の成長に焦点を当てるのがシュタイナー教育の特徴です。他者と比べるのではなく、自分の進歩を実感しながら学びを楽しむことができるのです。
7. 実生活につながる学び
シュタイナー教育では、子どもが実際に体験し、作り出すことを通じて学ぶことを大切にしています。例えば、農業体験や手作りプロジェクトを通して、物事の背景やプロセスを深く理解する力を育てます。
8. 多様な学びを受け入れる
シュタイナー教育は、特定の進路に縛られず、子どもたちの多様な興味や才能を伸ばす柔軟な教育環境を提供します。障害のある子どもも含め、すべての子どもが自分に適した方法で学ぶことができます。
シュタイナー教育のデメリット
シュタイナー教育で学ぶと受験できない?
シュタイナー教育は普通の学校とやり方が違うので、進学や将来の選択肢を考えるときに少し心配になることがあるかもしれません。特に進学や 高校受験について不安を抱く保護者の方も多いです。
シュタイナー教育の学校に通う生徒が一般入試で大学を目指す場合、受験対策は学校外で行う必要がある場合があります。しかし、シュタイナー教育で培われた「学ぶ力」「意欲」「考える力」が受験勉強でも力を発揮するため、十分な成果を上げることができます。
また、推薦入試やAO入試、さらには海外留学などの選択肢を活用することで、個々の生徒に合った進路を選べる柔軟性も魅力です。シュタイナー教育で育った子どもたちは、自ら学び、考え、行動する力が豊かなため、さまざまな進路で成功を収める可能性があります。
シュタイナー教育はあやしい?
シュタイナー教育は「目に見えないもの」を大切にするため、一部の人から「あやしい」や「オカルト的」と見られることがあります。目に見えない命や魂、霊の存在も含めて、人間全体や世界全体をとらえようとします。目に見える部分だけが人間のすべてではない、という考え方に基づき、人智学の哲学が教育に取り入れられているのです。
このため、教育理念を理解するには時間がかかることもあります。シュタイナー教育の背景には、ちょっと哲学的な考え方が含まれています。そのため、保護者や教育者が「どんな教育なの?」と理解するのに時間がかかることも。また、「シュタイナー教育 宗教」や「シュタイナー教育 オカルト」という誤解をされることの背景にあると思われます。
公立ではないため費用がかかることもある
シュタイナー教育を提供する学校は公立ではなく、多くの場合私立学校として運営されています。そのため、学費が一般的な私立学校より高額な場合があります。専任の先生による指導や、子どもたちが使う自然素材の教材、豊富な体験型授業を支えるために必要なものです。