ぬらし絵(2) わたしを励ます芸術体験



前回に引き続き、
6月17日(土)から始まる
色の声をきくシュタイナー水彩
 ぬらし絵講座」の講師、
小林由香さん(アトリエきぎ主宰)に、
ぬらし絵についてお伺いします。

前回の内容はコチラ
 ぬらし絵(1)
 「描こう」としない絵画体験!?

Q. 「ぬらし絵」の良さは何ですか?


 (小林さん)

 「ぬらし絵」の体験では、
 目の前に広がる色そのものを
 見つめていきます。

 そこから何かが始まります。

 色によって動かされる感情や感覚…

 色が今、私にどんなことを
 語り掛けてくるのかなぁ…と、

 委ねてみるんです。


 あぁこの色、私ちょっと苦手だなぁ…
 そうそう、こういう赤いワンピース、持ってたな…

 そんな風に、
 何か自分自身の眠っている記憶に、
 色が働きかけてくれます。

 でもただ、
 色を見つめるだけで何も考えなくてもいいんです。


 こうした色を使った芸術体験の時間は、
 心と色が通い合うような時間でもあるし、
 心の滋養にもなる時間です。


 あなた自身が、
 ただあなた自身でいるためだけの時間
なんです。


 わたしたち大人は、
 自分自身のための時間を持つことって、
 意識して特別に用意をしないと、
 中々できないですね。

 様々な役割を持っていますから。

 色の世界に少し踏み込むことで、
 常から少し離れて、
 「私の心」「私の魂」…そういったものに
 向き合える時間になると思います。


 また、この講座は大人が対象なので、
 共に描く中で感じたこと、
 自分の中に湧き出たことを
 言葉にして共有することができます。

 「この人はこんな感じなんだ」
 「私はそう思わなかったな」などと、
 自分の感覚的な世界を拡げていくことができるのも
 大人がぬらし絵に取り組む
 「良さ」ではないかと思います。

Q. セラピー・療法のような効果を得られるのですか?

 (小林さん)
 色の体験を通じて、
 「自分には無い感じ」を得る、
 例えば、引っ込み思案な方が
 元気に「赤」を塗ると、
 自分の中に元気が入ってくる、
 といった力は確かにあります。

 セラピー的…といえば
 そう言えるのかもしれませんが、
 わたしはあえて、「セラピー」とは言いません。

 色が元気づけてくれる
 色が癒してくれる
 そんな風に思っています。

 目の前で、水の力を借りて、
 色が本当に活き活きと動いてくれます。
 その姿に私たちは結構励まされるんです。

 わたしも、色の体験を重ねていくことで、
 元気をもらっています。


ー次回も引き続き、
 小林さんに「ぬらし絵」について
 聞いていきます。


色の声をきくシュタイナー水彩
 ぬらし絵講座
 詳細・お申込みはコチラから

帰国ツアー6&7日目は愛知県

少し期間が空いてしまいましたが、
帰国ツアーの報告をさせてください。


e-waldorf代表石川華代による帰国記念講演会・ワークショップ
6日目は、3月15日(水)豊田市で、
7日目は、3月16日(木)は名古屋市で、開催されました。

豊田市講演会の様子

まずは、3月15日(水)@豊田市。
シュタイナー教育に初めて触れるという方も沢山来てくださいました。

「体験ができて楽しく学べる事がよく分かった」
「子どもが小さいうちに聞けて良かった。一緒に算数を楽しみたい」
「シュタイナー教育は学校へ行く以外には方法がないと思っていたが、
 オンラインでも学べたり、親が学んで子どもに活かせると知れた」
といったお声をいただきました。



名古屋市開催のワークショップ・対談の様子


次に、3月16日(木)@名古屋市。
この日は、少し踏み込んだ内容のワークショップ。
既にe-waldorfの「子育ての講座」
「シュタイナー算数教育 教師養成講座」の受講生も
多くご参加いただきました。

まず最初に、石川華代によるワークショップ。
「黄金比で体験する世界の神秘~7年生数学」


次に、愛知県で「画房寺子屋」を主催されている
はらかずこさんによる、ワークショップ。
「古事記で感じる人間の進化~3年生国語」


そして、最後に「未来へのシュタイナー教育」と題して、
石川華代とはらかずこさんの対談。


「オンラインでは絶対に味わえなかった、
 先生のリアルなぬくもりには心から感動しました」

「美しい黄金比を学び、象形文字を絵を描きながら
 楽しく学ばせていただきました」

「数は美しい、そのメッセージに心が震えました。最高でした。」

「漢字が統一される前の原始の人に思いを馳せる事ができ
 心から楽しいな、とワクワクする学びだと感じました」

などなど、沢山の熱い感想をいただきました。



帰国ツアーは、その後東京で、8日目&9日目を終えました。
次回は、東京開催の様子をお伝えします。

帰国ツアー5日目は大分!

3月12日(日)大分にて、
e-waldorf代表石川華代による帰国記念講演会・ワークショップ
5日目が開催されました!


シュタイナー教育は初めて、という方にも沢山お越しいただき、
広く一般の方々にもシュタイナー教育について知っていただく機会となりました。


保育園「こどものにわ 楓」の園舎をお借りして、終始、温かい雰囲気でした。


参加者の方々からは、
「終始感動的で豊かでした」
「仕事でも家庭でも、子どもとの関わりに変化が起きそう」
「シュタイナー教育の考え方をわかりやすく伝えていただけて、参加してよかった」
といったお声をいただきました。




講演会の様子


石川の講演会では、シュタイナー教育の考え方や
子どもとの関わりの中で実践できるヒントなどをお伝えし、
皆さん真剣に耳を傾けてくださいました。



ワークショップの様子


次にワークショップでは、「九九の糸掛け」を
木に釘を打つところから取り組んでいただきました。

お一人おひとり、手を動かしながら、九九の美しさを体験していただきました。



次は、愛知です!

石川華代帰国ツアーも、愛知・東京を残すところとなりました。

3月15日(水)@愛知県豊田市
3月16日(木)@愛知県名古屋市
3月19日(日)@東京都

皆さんのお越しをお待ちしています。

帰国ツアー3&4日目は広島!


e-waldorf代表石川華代による帰国記念講演会・ワークショップ、
3日目・4日目がそれぞれ広島で開催されました!


3月7日(火)お話会

広島1日目は、
お寺を会場として使わせていただき、
座布団を車座に並べてのお話し会でした。

金時豆を並べるワークから始まって、
皆さん手を動かしてから、算数のお話へ。

お母さんの力は大きいこと…
家庭でできる算数はいっぱいある、ということ…

参加者の皆さんとの対話を通じて、お話が拡がっていきました。


「家に帰ってすぐ実践できる具体的な事を、たくさん教えていただけた」
「算数の概念が変わった!」
といった、嬉しい感想もいただきました。


3月9日(木)広島大学 衛藤先生との対談

広島2日目は、広島大学へ。

シュタイナーハウス・モモで発達が気になる子どもたちの一人ひとりに寄り添い、
″らしさを伸ばす内側からの教育”を実践されている衛藤吉則教授と
e-waldorf代表 石川華代との対談。


衛藤先生の、モモでのシュタイナーアプローチを活用した養育の実践・体験談と、
石川のシュタイナー教育の可能性についてのお話とを行き来しながら、
シュタイナー教育についての理解が深まっていく内容でした。

次は、大分です!

石川華代帰国ツアー、まだまだ続きます!
お近くの会場で、お待ちしております。

帰国ツアー2日目は大阪!

3月4日(土)大阪にて、
e-waldorf代表石川華代による帰国記念講演会・ワークショップ
2日目が開催されました!

ご参加いただいた方からは、
「シュタイナーの算数教育が、どのように人間力を育てていくのか分かった」
「家庭でも取り組めるヒントが沢山あった」
「リアル講座で、参加者の方々からも刺激をもらった」などのお声をいただきました。

実際の講演会・ワークショップの様子をご紹介します。

講演会の様子

まずは、「シュタイナー算数アプローチの可能性」についての講演会。

講演会、といってもただ話を聴くだけではなく、
体を動かしたり、手を動かしたりしながら、
シュタイナー算数を体験していただきました。

受講生の皆さん、真剣にメモを取りながら聞いていただきました。



幾何手仕事とフォルメンのワークショップ


次に、シュタイナー算数の体験として、
編み込みのフォルメンと、手仕事。

皆さん夢中で、取り組んでいただきました。




次は、広島です!

石川華代帰国ツアー、まだまだ続きます!
お近くの会場で、お待ちしております。

シュタイナー教育の粘土造形(2)~粘土造形で育む「意志」の力

粘土造形を通じて得られる効果


前回、粘土造形を通じて育まれる、
算数・数学の力について、お伝えしました。

粘土造形は、この場では伝えきれなほど、
効果や他教科との繋がりは多岐にわたりますが、
今回は、その中でも「意志の力」への影響についてお伝えします。

簡単には形成できない自然の粘土


お子さんが普段粘土あそびをするときは、油粘土や紙粘土、蜜蝋粘土、
あるいはご自宅で作られる場合は、
小麦粉や米粉の粘土などが身近なのではないでしょうか?

柔らかく、力をさほどかけなくても思い通りの形になります。
実は、シュタイナー教育の粘土造形で使う粘土は、
陶芸用に使うような自然の粘土。

体温で温めれば、ずいぶん柔らかくはなるものの、
どっしりと重たく、形をつくっていくために少しずつ、
力をかけていく必要があります。

すぐに乾燥してしまったり、あるいは水をかけすぎると
ドロドロになってしまったり、一筋縄ではいきません。

土と対話しながら、手の様々な部分をつかいながら、
時間をかけて形を成していきます。

手を使い、「意志」に働きかける


手は使う部分によって、
思考・感情・意志、それぞれの働きと繋がっています。


作業工程の中で、手のそれぞれの部分を使い、
その全てに段階的に働きかけていきます。

中でも手の付け根は「意志」と繋がっています。

自然粘土の形を変えるためには、
手の付け根を使って力を込めて動かさなければいけません。
粘土を力強く手の付け根で押し込むとき、
「意志」の力が働いています。

こうして時間をかけて土と対話し形を作り上げていくこと、
手を通じて「意志」に働きかけることで、
ものごとを進めていく強い意志の力が、自然と育っていきます


「意志」の力を育む体験


今、子どもたちを取り巻く環境の中で、
「意志」に働きかけるような体験はどのくらいあるのでしょうか。

スマートフォンやテレビゲームを通じて、
ボタン一つ、指先一つで、欲しいものに辿り着きます。

コロナ禍をきっかけに、学校教育の中でも、
日常的にタブレットが使われるようになったことで、
以前よりも、鉛筆を握る機会が減り、
指先の簡単なタッチで、文字を書くようになりました。


力を込める、時間をかけて取り組む…
このような「意志」に働きかけるような体験は、
日常生活の中では中々得られない状況です。

「あきらめないで」

「最後まで、やり抜こう」

そのような、言葉がけ一つで変わるものではありません。


ものごとを進めていく強い「意志」の力は、
社会の中で自分の考えや想いを具現化するために、
また、自分自身が自由でいるために、必要な力です。


粘土造形のプロセスは、その「意志」の力を、
小学1年生から長い時間をかけて育んでいるのです。

■ シュタイナー教育で入学準備をしませんか?
  「小学生準備講座」2月開講(全4回/隔週/オンライン)

■ 小学6年生のための「中学準備講座」2023年開講中

 シュタイナー教育をオンラインで学ぶe-waldorf「IDEAL」募集中

シュタイナー教育の算数レッスン~IDEAL小学4年生

シュタイナーの発達段階に沿った学び


シュタイナー教育では、
子どもの発達段階に沿った形で
学びを進めることを大切にしています。

e-waldorfの算数・数学・国語レッスン「IDEAL」も、
文科省教科書に準じながら、
子どもの発達段階に沿った形で学びを進めていきます。


自然の巡りと「分数」


こちらは小学4年生向けIDEALレッスン
授業で取り組んだアクティビティの途中段階。

紙を円に切り抜いたものを、
分数を使って、4分の1、12分の1、24分の1…と折っていき、
円の中心で重ねていくと・・・


季節の「暦」表が出来上がります。

小さい頃から確かに体感している大きな自然、「季節の巡り」と
「分数」の学びを結び付けたアクティビティです。

自分、家庭、学校、社会…人間の営みを包み込む、
大きな自然の存在を感じることは、
9歳前後の子どもの成長にとって大きな意味を持っています。

現実に目覚めはじめた子どもに必要なこと

小学3年生から4年生にかけて、
子どもたちは少しずつ現実の世界に目覚めはじめます。

これまで完璧だと思っていた大人に対して、
もう少しシビアな目で見るようになったり、

守られていた世界から飛び出した感覚に
不安になったり孤独を感じたりします。

そんな大きな内面の変化に対して、
どのように教科の学びを通じた成長を促していくか?

IDEALのレッスンでは、
こうした発達段階を踏まえたアプローチで、
文科省のカリキュラムに命を吹き込んでいきます。

シュタイナー教育の「数学」~中学生の学び

算数から数学へ


中学生になると、
小学校で学んでいた「算数」が無くなり、
新たな教科として「数学」を学びます。

小学校の「算数」は、四則計算や図形など、
日々の生活の中で活用シーンが多く、
具体的な体験と繋がりやすい学びでした。

これに対して、中学校の「数学」は、
負の数、代数、関数といった、
日常の中では目にしないものを
扱うことになります。

具体的で目に見える世界から、
より抽象的な思考を必要とする世界へと
移行するのです。


「数学」は、
世界の本質を表す言語でもあります。


「数学」を通じて、
自分たちが生きるこの世界の
法則・規則性を理解することは、
子どもたちを取り巻く様々な困難に
立ち向かうための大きな武器になります。


だからこそ、公式の丸暗記ではない、
数学の本質を理解する力
どのように育むかが重要です。


シュタイナー教育で育む「数学」の力


こちらは、
e-waldorfのIDEAL
(シュタイナー教育の国語・算数・数学レッスン)
受講した中学1年生の作品です。

(編み込み模様のフォルメン)

(フォルメンのデザインを実際に編んでみる)

(実際に使える作品にする)


中学生は、
シュタイナー的な
人間の成長段階からみても、
「抽象思考」が伸びていく時期です。

同時に、身体の著しい成長と共に、
新しいチャレンジを通じて
自分のことを知りたい、
という欲求が出てくる時期でもあります。


こうした成長課題を踏まえて、
紙の上で問題を解くような
机上の学びだけではなく、

手を動かし、色彩を使い、
感性を揺さぶる体験を積み重ね、
「思考」「意思」「感情」に
バランス良く働きかけていきます。


人間的な成長と「数学」の力とを
切り離すことなく、
自由に生きていくための力を
総合的に育むこと。

これが、
シュタイナー教育における
「数学」の学びです。

【生徒募集中】
 小学6年生のための「中学準備講座」2023年1月開講

【体験レッスン受付中】
 小学6年生のための「中学準備講座」2023年1月開講

シュタイナー教育の算数パズル~図形感覚も感性も同時に育む~


直角二等辺三角形であそぶ


海外からIDEALで算数を学ばれているお子さんの作品です。
直角二等辺三角形を組み合わせて、色彩豊かに描いてくれました。


一つひとつの三角形が何を表しているのか、丁寧な日本語で説明してくれています。

保護者の方からは、海外在住で日本語に触れる機会が少ない中、日本語でレッスンを受講し、
日本語で話す機会としても大切な時間になっているとお伝えいただきました。



体験を重ねて「わかる」につなげる


実際の授業では、最初から絵を描くわけではありません。
まずは最初に折り紙を等分に切り、このように色々な方向に組み合わせてデザインをします。

“「直角二等辺三角形」の特徴はこうです”と、論理を教わるのではなく、
まずはその形を作り、組み合わせ、書き、着色していきます。



シュタイナー教育では、「教わり覚える」のではなく、
低学年のうちから、様々な角度で何層にも体験を重ねることで、
体が「わかっている」状態をつくっていくのです。

ちなみに、この作品を作られたお子さんは、
レッスンでこうしたアクティビティに取り組んだ後は、
レッスン後もじっくりと取り組み続けることが多いとのこと。

夢中になって取り組んでいたら、いつのまにか算数が得意になっている。
そんな体験ができるのが、シュタイナーアプローチの算数です。


世界中どこからでも学べるオンライン授業、
日本の文科省カリキュラムの国語・算数・数学を
シュタイナー教育で学べるIDEAL(イデアール)、体験レッスン受付中です。

IDEALの「グループレッスン」と「マンツーマンレッスン」

シュタイナー教育「IDEAL」のレッスンスタイル



シュタイナー教育の算数・数学・国語レッスン「IDEAL」には、「グループレッスン」と「マンツーマンレッスン」があります。今回は、それぞれの特徴についてお伝えします。


多様な視点・感性に触れられる「グループレッスン」


シュタイナー教育の算数・数学・国語では、体を動かす・絵を描く・ものづくりをする等、様々なアクティビティを通じて学びます。

学校のお勉強のように、「1つの正しい答え」を出すという学びではなく、アクティビティの過程で気付いたり発見をしたこと、その全てが学びになります。

仲間と一緒に学ぶグループレッスンでは、こうした気付き・発見を他の生徒さんとシェアし合うため、自分だけでは気づかないような様々な視点を得ることができます。仲間の学びも、自分の学びとなり、より深い体験になります。


お子さまのペースを大切にする「マンツーマンレッスン」


マンツーマンレッスンは、個別のニーズがある場合に柔軟に対応が可能なレッスンです。

● お子さまのペースに合わせて丁寧に関わって欲しい
● お子さまの学力に対して特別にご要望がある
● グループレッスン以外の曜日・時間帯を希望している

など、様々なリクエストにお応えします。

例えば、ホームスクーリング中で学校のある時間帯にレッスンを実施することも可能です。

「グループレッスン」と「マンツーマンレッスン」、お子さまの状態やご家庭の状況に合わせてご検討ください。