シュタイナー教育の粘土造形(2)~粘土造形で育む「意志」の力

粘土造形を通じて得られる効果


前回、粘土造形を通じて育まれる、
算数・数学の力について、お伝えしました。

粘土造形は、この場では伝えきれなほど、
効果や他教科との繋がりは多岐にわたりますが、
今回は、その中でも「意志の力」への影響についてお伝えします。

簡単には形成できない自然の粘土


お子さんが普段粘土あそびをするときは、油粘土や紙粘土、蜜蝋粘土、
あるいはご自宅で作られる場合は、
小麦粉や米粉の粘土などが身近なのではないでしょうか?

柔らかく、力をさほどかけなくても思い通りの形になります。
実は、シュタイナー教育の粘土造形で使う粘土は、
陶芸用に使うような自然の粘土。

体温で温めれば、ずいぶん柔らかくはなるものの、
どっしりと重たく、形をつくっていくために少しずつ、
力をかけていく必要があります。

すぐに乾燥してしまったり、あるいは水をかけすぎると
ドロドロになってしまったり、一筋縄ではいきません。

土と対話しながら、手の様々な部分をつかいながら、
時間をかけて形を成していきます。

手を使い、「意志」に働きかける


手は使う部分によって、
思考・感情・意志、それぞれの働きと繋がっています。


作業工程の中で、手のそれぞれの部分を使い、
その全てに段階的に働きかけていきます。

中でも手の付け根は「意志」と繋がっています。

自然粘土の形を変えるためには、
手の付け根を使って力を込めて動かさなければいけません。
粘土を力強く手の付け根で押し込むとき、
「意志」の力が働いています。

こうして時間をかけて土と対話し形を作り上げていくこと、
手を通じて「意志」に働きかけることで、
ものごとを進めていく強い意志の力が、自然と育っていきます


「意志」の力を育む体験


今、子どもたちを取り巻く環境の中で、
「意志」に働きかけるような体験はどのくらいあるのでしょうか。

スマートフォンやテレビゲームを通じて、
ボタン一つ、指先一つで、欲しいものに辿り着きます。

コロナ禍をきっかけに、学校教育の中でも、
日常的にタブレットが使われるようになったことで、
以前よりも、鉛筆を握る機会が減り、
指先の簡単なタッチで、文字を書くようになりました。


力を込める、時間をかけて取り組む…
このような「意志」に働きかけるような体験は、
日常生活の中では中々得られない状況です。

「あきらめないで」

「最後まで、やり抜こう」

そのような、言葉がけ一つで変わるものではありません。


ものごとを進めていく強い「意志」の力は、
社会の中で自分の考えや想いを具現化するために、
また、自分自身が自由でいるために、必要な力です。


粘土造形のプロセスは、その「意志」の力を、
小学1年生から長い時間をかけて育んでいるのです。

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シュタイナー教育の粘土造形~算数・数学の力を育む

形を体で感じる粘土造形


シュタイナー教育では、小学1年生から粘土造形をします。
一番最初は、例えば球などの「純粋な形」から。

純粋な形を作る体験を繰り返し、
形そのものが持つ質を体で理解します。

このことは、形を認識する力になります。
算数・数学の基盤となり、
さらには、芸術の基本的な能力へと繋がっていきます。

その後、左右対称や3方向対象、非対称などの形や、
もっと具体的な「生き物」の形など、
子どもの発達段階に応じて、様々な造形に発展していきます。

中学生の粘土造形


こちらは、
e-waldorfのオンライン授業、
IDEAL(シュタイナー教育の国語・算数・数学レッスン)で、
中学2年生で取り組まれた粘土造形です。


ひとつの形を作って終わり、ではなく、
繋がりをもって、ある形からある形へと変容していき、
段々と複雑な形になっていきます。

このプロセスの中で、単体の図形の質の理解だけではなく、
変化の過程を味わい、図形同士の関係性も感じ取ります。

全体を確認しながら、形を変容させていくのは、
かなり高度なバランス感覚が磨かれます。

造形と算数・数学のつながり

中学生になると、様々な空間図形の単元があり、
様々な多面体が出てきますが、
2次元の紙の上で練習問題を沢山解いても、
形がもつ質を感じ取ることは難しいはずです。

粘土造形は、実際に手を動かし、形を作っていく中で、
質量のない頭の中だけの図形認識とは全く異なる体験になるのです。
粘土造形を重ねていくことで、図形認識の力は揺るぎないものになります


勿論、粘土造形をシュタイナー教育で行う意味は、
算数・数学の能力を上げるだけではありません。


次回のブログにて、算数・数学以外の観点から、粘土造形についてお伝えします。

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シュタイナー教育をご家庭で

シュタイナー教育ができるのは学校だけ?


シュタイナー教育は、
シュタイナー学校に行かなければできない。


そんな風に思われている方も多いのではないでしょうか?


もし、シュタイナー学校に行っていなくても、
普通学校の良さを活かしながら、
ご家庭の中でシュタイナー教育的なアプローチをベースに
子どもと関わることができるなら、素晴らしいと思いませんか?


シュタイナー教育だからこそ、
柔軟に、自由に


シュタイナー教育は、
どのような環境におかれても、
生き抜いていける力強さ、自由さを育む教育です。


例えば、学校という場でなくても、
身近な大人が、子どもの発達段階や気質を捉えながら、
よりよい環境で子どもに合ったアプローチをしていく。


大人側も、ルールや固定概念に縛られるのではなく、
変えられない環境もあるからこそ、
現状に応じて柔軟に、自由な発想をもって、
こどものより良い環境を作り上げていくことができるはずです。


学ぶことで、子育てを楽に・楽しく


「もっと子育てに自信を持ちたい・・・」

「子どもとの関わりの中で軸となるものが欲しい」

「今の学校教育だけで、生きる力が育まれるのか不安」


こうした思いをお持ちのお母さん・お父さんが、
シュタイナー教育を学ぶことで、
子育てに軸を持ち、子育てを楽しめるように…。
自分自身で、より良い子育てのアイデアを生み出せるように…。


e-waldorfでは、お母さんお父さんの視点で、
体系的にシュタイナー教育を学ぶことが出来る、
「シュタイナー子育て講座」を提供しています。


e-waldorf代表、石川華代による子育て相談ができる、
「シュタイナー子育て相談・講座説明会」は、
希望に応じて、随時開催しています。

お気軽にe-waldorfホームぺージの「お問い合わせフォーム」までご連絡ください。

シュタイナー教育の算数レッスン~IDEAL小学4年生

シュタイナーの発達段階に沿った学び


シュタイナー教育では、
子どもの発達段階に沿った形で
学びを進めることを大切にしています。

e-waldorfの算数・数学・国語レッスン「IDEAL」も、
文科省教科書に準じながら、
子どもの発達段階に沿った形で学びを進めていきます。


自然の巡りと「分数」


こちらは小学4年生向けIDEALレッスン
授業で取り組んだアクティビティの途中段階。

紙を円に切り抜いたものを、
分数を使って、4分の1、12分の1、24分の1…と折っていき、
円の中心で重ねていくと・・・


季節の「暦」表が出来上がります。

小さい頃から確かに体感している大きな自然、「季節の巡り」と
「分数」の学びを結び付けたアクティビティです。

自分、家庭、学校、社会…人間の営みを包み込む、
大きな自然の存在を感じることは、
9歳前後の子どもの成長にとって大きな意味を持っています。

現実に目覚めはじめた子どもに必要なこと

小学3年生から4年生にかけて、
子どもたちは少しずつ現実の世界に目覚めはじめます。

これまで完璧だと思っていた大人に対して、
もう少しシビアな目で見るようになったり、

守られていた世界から飛び出した感覚に
不安になったり孤独を感じたりします。

そんな大きな内面の変化に対して、
どのように教科の学びを通じた成長を促していくか?

IDEALのレッスンでは、
こうした発達段階を踏まえたアプローチで、
文科省のカリキュラムに命を吹き込んでいきます。